新刊情報(ウィッシュリスト……)

景気低迷にもかかわらず、中世関連の新刊も春先に向けて多少華やぐ模様だ。というわけで、また久々にウィッシュリストみたくまとめておこうか。

まずは岩波の「ヨーロッパの中世」シリーズの続刊。
河原温『都市の創造力』
関哲行『旅する人びと』

中世関連のイギリス関係。最初のは入門というよりは研究紹介書らしい一冊。次のはフェネガンズ・ウエイクと中世文化の関係を検討するというものらしい。これは面白そうかも。さらにその次は文化論的な議論なのかしら。いずれにしてもイギリス中世ものが集中しているなあ。
『中世イギリス文学入門』(雄松堂出版)
宮田恭子『ジョイスと中世文化』(みすず書房)
『中世主義を超えて – イギリス中世の発明と受容』(慶応義塾大学出版会)

音楽関係では、皆川氏の名著が文庫化されたほか、ゴリアールものの俗謡集が。
瀬谷幸男『放浪学僧の歌 – 中世ラテン俗謡集』(南雲堂フェニックス)
皆川達夫『中世・ルネサンスの音楽』(講談社学術文庫)

ヨーロッパの辺境的部分もふくめて地域的な広がりで捉えるという二冊(って、そりゃずいぶん大雑把な括りだが(苦笑))。
山中由里子『アレクサンドロス変相 – 古代から中世イスラームへ』(名古屋大学出版会)
富田矩正『バルト海の中世 – ドイツ東方植民と環バルト海世界』(板倉書房)

マクシモス研究というのは珍しい。
谷隆一郎『人間と宇宙的神化 – 証聖者マクシモスにおける自然・本性のダイナミズムをめぐって』(知泉書館)

薬草ものは、やはり魔術関係の言及もあるのかしら。
M.B. フリーマン『西洋中世ハーブ事典』(遠山茂樹訳、八坂書房)

次はまだ出ていないものだけれど、期待大。
バルトルシャイテス『異形のロマネスク』(馬杉宗夫訳、講談社)