パラディアンズによるタルティーニ

タルティーニとくれば、定番は「悪魔のトリル」ことト短調ソナタ(Op.1 No.4)。とはいえあんまり聞く機会はないけれど……(苦笑)。で、そんな中、パラディアンズというユニットの録音『悪魔のトリル–タルティーニのソナタ』を聴く。これはなかなか秀逸な演奏では?個人的にリファレンスがそう多くあるわけでもないけれど、収録されている表題作のト短調ソナタは情感たっぷりで、いやがおうにも引き込まれる。うーん、素晴らしい。以前、アンドリュー・マンゼとかの無伴奏での演奏とか聴いたときには、個人的になんだか今ひとつ盛り上がらんなあ、という感じだったのだけれど(失礼)、それからすると今回はまるで違っている。このユニット、元はレイチェル・ポッジャーとかが91年に結成したアンサンブルだったそうで。なるほどね。ほかの収録曲もとてもいい。「知名度はより低いけれどむしろより非凡な成果」とライナーに謳う「捨てられたディドーネ」ことト短調ソナタ(Op.1 No.10)も、その言に違わぬパフォーマンス。ほかは、若かりし頃のタルティーニが圧倒されたほどのヴィルトゥオーゾだったというヴェラチーニのソナタ(参考という感じの収録)と、再びタルティーニにもどって、より「軽妙」とされるイ長調ソナタ(Op.1 No.13)など。ちょっとお薦めかもね。

The Devil’s Trill / Palladians [SACD Hybrid]