連休明けの余波……古楽編

ラ・フォル・ジュルネでファビオ・ビオンディらが弾いたテレマンの組曲「ドン・キホーテ」が気になって、どんな録音があるだろうかと思って探したら、なんとバーバラ・ヘンドリクスを支えていたドロットニングホルム・バロック・アンサンブルによる2001年の盤がiTunesに出ていた(こちら→Drottningholm Baroque Ensemble - Don Quixotte - Suites By Telemann

わぉ。この団体、個人的には知らなかったのだけれど、かなりのCDを出している老舗だったのね(71年の結成だとか)。なるほど、どうりで落ち着いた風情を感じさせる演奏だったわけだ(今さら言うか(笑))。このドン・キホーテ組曲もビオンディ的な激しさはないけれど、実にいい感じ。

また、ラ・フォル・ジュルネで聞きそびれたリュート奏者のエドゥアルド・エグエスも、会場に出ていたショップに新譜があったので購入。こちら→L’Infidele~異邦人 -S.L.ヴァイス: リュート作品集 / エドゥアルド・エグエス。国内版。ここではinfidèleを「異邦人」と訳しているのがいい(個人的には「異教徒」くらいかと思うけれど……従来の「不実な女」は誤訳だと前にも書いたことがある)。実際演奏も、表題のソナタのメヌエットあたりに出てくる東方っぽい(トルコ?)音が見事に強調されている。前の来日公演のときにヴァイスを聴いて、いつかヴァイスだけの録音が聴きたいと思っていたけれど、それが実現して個人的にはとても嬉しい。この人のヴァイスは本当に色っぽい(笑)。ロバート・バルトなどのどこか禁欲的・求道的で、ひたすら深みに潜っていくような演奏とは対照的に、全体にしなやかで華麗。装飾音などもたくさん散りばめられて、とてもたおやかなで華やいだヴァイス。うーん、まさに不意打ちという感じ。繰り返し聴きたくなる演奏。おすすめ。